独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

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リードレスペースメーカ植込み100件達成

2017年9月に本邦において、リードレスペースメーカ植込み(Micra○R)が保険償還された。

当院においても2017年9月14日に第1例目を開始し、2019年2月7日で100件を達成しました。現在まで、すべての患者に合併症なくリードレスペースメーカ植込みに成功しております。

1950年代から開始となったペースメーカ治療は約60年の歴史があります。従来のペーシングシステムは、リードを静脈から心室や心房へ挿入、または開心術で心外膜側から心筋にリードを打ち込む必要があります。心臓へリードを挿入し、ジェネレータを胸部鎖骨下や腹部の皮下に植込むことで、1つのシステムを形成させることで心臓を刺激することが可能となります。このリードとジェネレータというシステムは経年的に進化しております。最新型のジェネレータは約20g、リードは経静脈的に数本挿入できるようになり、ほぼ完成した治療となっておりますが、静脈穿刺時や、静脈に留置したリードと皮下に植込まれたジェネレータが原因で合併症が起きることがありました。

2014年に世界で初めてリードのない画期的なペースメーカシステムが発表され、リードレスペースメーカと呼ばれております。大腿静脈からアプローチし、わずか1cc/1.75gのデバイスのみを右室内に挿入するペースメーカです(図1:N Eng J Med 2016; 374: 533-41)。

従来のペースメーカ機能である、1.5/3テスラ全身MRI対応、加速メーターベースのレートレスポンス、キャプチャマネージメントなどを有しています。デバイスにはペーシングする電極とコンピュータ、電池がすべて組み込まれていて、電池が約10年で、手技時間の短縮、被ばく量の低減も達成されています。

しかしながら、Micra○Rの留置には専用の23Frの太い血管造影用シースを挿入する必要があり、大腿静脈に関連した血腫や血管損傷、心タンポナーデなどの合併症があります。現時点では心室ペーシング(VVI/VVIR)設定のみに限定されるペーシングモード、ペースメーカ脱落など、従来の経静脈ペースメーカにはなかった様々な問題もあることを理解することが大切です。リードがないこととジェネレータを皮下に植込む必要がないことから、近年増加傾向にあるデバイス感染が少ないとされていますが、必ずしもゼロにはならず、異物を身体の中に留置しますので感染性心内膜炎等は注意が必要です。

ペースメーカ植込みが必要な患者さん全てに適応があるわけではありません。具体的には、1)心房細動を合併した、症状のある発作性もしくは持続性の高度房室ブロックの患者、2)心房細動を合併しない、症状のある発作性もしくは持続性の高度房室ブロックで、右心房へのリード留置が困難、または有効(有用)でないと考えられる患者、3)症状のある徐脈性心房細動または洞機能不全症候群で、右心房へのリード留置が困難、または有効(有用)でないと考えられる患者、等が妥当とされておりますのでご相談ください。

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